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胃アニサキス症

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青物の生魚(イワシ、サバ、アジ等)を食べて数時間後に、激しい腹痛、吐き気に見舞われた経験はありませんでしょうか?
時によっては食中毒と間違えられることもありますが、食中毒と異なり、発熱や下痢を伴いません。


このような患者さんが来られたとき、経験のある先生はまず『胃アニサキス症』を疑い、『何か生魚を食べませんでしたか?』と質問してくるはずです。

お刺し身、すし、きずし等を食べた後の激しい胃の痛みは大部分がこの『胃アニサキス症』によるものと思われます。従来『サバの生き腐れ』と言われたものの大部分はこの病気によるものだと言われています。

では『胃アニサキス症』とはどのような病気でしょうか?

簡単に説明すると、生魚の中に寄生する1~3cm位の小さな寄生虫が胃壁に喰らいついて起きるアレルギー反応による痛みと言われています。1960年オランダの医師Van Thielがこの寄生虫を生ニシンから見つけ出し、この病気の原因であると報告したと言われています。

ところで、アニサキスとはどのような寄生虫でしょうか?その成虫は海棲哺乳類であるクジラやアザラシ、イルカの胃の中に多数寄生しています。これらの動物の糞便を介して幼虫がサバやイカに寄生します。そしてこれらの魚介類を生で食べた人に幼虫が感染して発症するという仕組みになっています。

アニサキスは比較的熱に弱く、50~60℃の熱を加えると数秒で死んでしまうと言われています。
しかし、酒、酢、塩に対してはかなり抵抗し死滅することはありません。冷水中では100日近くも生き延びたという記録があるようですが、ー20℃では約24時間で死滅するようです。先に書いたように、本来魚の胃腸の中に寄生しますが、魚が死んでしまうとその魚の筋肉の中に移動してしまいます。そして、その魚を食べた人に感染するわけです。このような習性から考えると、『タタキ』や『イカそうめん』は理に適った食べ方と思われます。

アニサキスに感染した人すべてが発症するわけではありません。漁師さんの中にはアニサキスに感染したにも拘わらず平気な人もいるそうです。しかし、一般的には最初の感染の時は殆ど症状はないか、あってもごく軽微で見逃されるようです。2回目以降に激しい腹痛を訴える羽目になるなります。

治療は簡単です。胃カメラで胃の壁に食いついているアニサキスを除去すると、途端に痛みは消失してしまいます。この病気に効く薬はありません。

心当たりの方は、絶食で胃カメラ検査の出来る先生を受診して下さい。
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