胃がんリスク検診

胃MALTリンパ腫・胃過形成ポリープ・機能性ディスペプシア 〜ピロリ菌除菌で改善できる病気〜

前回に引き続いてピロリ菌除菌で治癒・改善が期待できる病気の解説です。

今回も消化管疾患についてです。
胃MALTリンパ腫・胃ポリープ・機能性ディスペプシアについて解説します。


(3)胃MALTリンパ腫
 「胃MALTリンパ腫」は、あまり聞き慣れないという方も多いのではないでしょうか。
「MALTリンパ腫」とは、消化管や肺、甲状腺などに発生する、粘膜関連リンパ組織(mucosa associated lymphpid tissue)のB細胞と呼ばれる免疫細胞が起こす悪性の血液疾患です。
MALTリンパ腫の中でも、胃は一番多く認められる部位で、胃MALTリンパ腫はピロリ菌感染胃炎を背景とする胃粘膜に発生します。
診断には内視鏡所見で粘膜の凹凸やビラン・潰瘍、隆起性病変など多彩で、生検を行います。
しばしば胃がんとの鑑別が困難であるため、複数箇所の生検材料を免疫染色を行います。
また全身への病気の広がりを見るために、CTなどにより全身の病変の検索が必要です。
ピロリ菌の除菌(保険適応)により、約7〜9割で完全寛解になることから、胃MALTリンパ腫の治療の第一選択となります。
このように、クリニック単独では診断・治療が困難であるため、消化器内科や血液内科のある病院と連携をして診断・治療を行っていくこととなります。


(4)胃ポリープ(過形成ポリープ)
 胃のポリープにはおおきく「過形成ポリープ」と「胃底腺ポリープ」の2種類があります。
そのうち、ピロリ菌と関連があるのは過形成ポリープで、ピロリ感染胃炎を背景とする粘膜に発生します。
(胃底腺ポリープは通常ピロリ菌陰性です。)
胃過形成ポリープは、まれにガン化することや,食物との接触で出血し鉄欠乏性貧血の原因となることがあります。
このため、従来大きい過形成ポリープは内視鏡的切除を行われてきましたが、ピロリ菌除菌により縮小・消失することがわかってきました。


(5)機能性ディスペプシア
 従来、「胃痛」「胃もたれ」「腹部膨満感」といった症状は慢性胃炎と捉えられていました。
しかし、こういう症状の患者さんに胃カメラを行っても胃がんや胃潰瘍といった器質的疾患が見当たらない方も多く存在し、「器質的疾患が見当たらないにもかかわらず上部消化管症状を呈するもの」を「機能性ディスペプシア」と呼びます。
機能性ディスペプシアのうち、ピロリ菌感染胃炎がある場合は「ヘリコバクター・ピロリ関連ディスペプシア」として扱われます。
ピロリ菌感染は機能性ディスペプシアの症状を引き起こしていると考えられ、除菌をすると一部の患者さんは症状が改善します


 次回はピロリ菌感染でおこる消化器疾患以外の病気について記します。

 垂水区近郊にお住まいの方で、ピロリ菌の診断・治療をご希望の方は当院消化器内科でご相談下さい。