胃がんリスク検診

血小板減少性紫斑病・鉄欠乏性貧血・慢性蕁麻疹など 〜ピロリ菌除菌で改善できる可能性がある病気〜

今回は、ピロリ菌の感染で、消化管疾患以外でもおこる疾患の解説をします。

血液疾患として、特発性血小板減少性紫斑病(ITP)、鉄欠乏性貧血を取り上げます。
その他のピロリ菌感染と関連のある疾患として、慢性蕁麻疹、その他取り上げます。


(6)特発性血小板減少性紫斑病(ITP)
特発性血小板減少性紫斑病(ITP)は、、血小板に対する自己抗体により脾臓における血小板の破壊が更新することにより、血小板が減少する自己免疫疾患です。
ITPは小児に多く発生する急性型と、成人に多く徐々に病状が進行していく慢性型にわけられ、ピロリ菌感染と関連があるのは主に慢性型と考えられます。
ITPの治療としては、従来から他の免疫疾患と同様に、副腎皮質ステロイドや免疫抑制薬が多く使用されてきました。また、脾臓の摘出を行うこともありました。
しかし、ピロリ菌陽性のITP患者に対して除菌療法を行い成功すると、約6割で血小板が増加することがわかっています。
このため、ITP治療ガイドラインでも、まずピロリ菌の診断を行い、陽性の場合は第一選択として除菌療法(保険適応)を行うことが記されています。


(7)鉄欠乏性貧血
鉄欠乏性貧血は、体内の鉄分がうまく貯蔵されないか消費されることで、鉄の不足により生じる貧血です。
治療は、食事や内服により鉄の補給を行うことが第一です。 また、ピロリ菌感染により生じる萎縮性胃炎があると、胃酸の分泌やビタミンが低下することで鉄の吸収が悪くなり、鉄欠乏性貧血を生じると考えられています。
このため、鉄欠乏性貧血の治療に、ピロリ菌の除菌が有効な場合があります
(鉄欠乏性貧血の診断だけでは、ピロリ菌の除菌療法は保険適応外となります。胃カメラによりピロリ菌感染胃炎を確認し、「ピロリ菌感染胃炎に対する除菌療法」を行うこととなります。)


(8)慢性蕁麻疹
 慢性蕁麻疹は、食事やハウスダスト、光線、薬物などさまざまな原因で生じますが、原因がはっきりしない例も多く存在します。
一部にはピロリ菌陽性の慢性蕁麻疹の患者に除菌療法を行うことで、蕁麻疹が改善したという報告があります。


(9)その他の疾患
 その他、パーキンソン病や片頭痛などでピロリ菌の除菌で症状が改善したという報告がありますが、相反する報告もあり評価は定まっていません。


 今後も、ピロリ菌感染と消化管以外の病気との関連が判明していくかもしれません。
垂水区近郊にお住まいの方で、ピロリ菌の診断・治療をご希望の方は当院消化器内科でご相談下さい。