胃がんリスク検診

肺炎球菌ワクチンが2種類あるのをご存知でしょうか?

肺炎球菌ワクチンが2種類あるのをご存知でしょうか?

 成人の肺炎球菌ワクチン(ニューモバックス)が定期接種となって今年で4年目となりました。
神戸市から定期接種のお知らせのはがきが届いた方もいらっしゃると思います。
現在の肺炎球菌ワクチン(ニューモバックス)の定期接種は、今年度に65歳・70歳・75歳・80歳・85歳・90歳・95歳・100歳に達した方で、今まで一度もニューモバックスを接種したことがない方が対象となります。
ニューモバックスは、しばらくすると効果が低下してくるため5年おきに再接種が必要となりますが、接種2回め以降は自費になります。
 では、なぜ5年おきの再接種が必要なのでしょうか?

 ニューモバックスは「23価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン」と言います。
「23価」とは、肺炎球菌のサブタイプのうち23種類の成分があるという意味です。
(肺炎球菌には約90種類のサブタイプのがありますが、ニューモバックスの23種類で大部分をカバーしています。)
「莢膜ポリサッカライド」とは、細菌の周りを覆っている膜(莢膜)の菌体成分のことを言います。 つまり、ニューモバックスは簡単に言うと「23種類の肺炎球菌の膜の成分に対しての抗体を作るワクチン」です。

 この「莢膜」は多糖体といって、比較的単純な構造の糖が連続して構成されていますが、このような単純な構造の成分に対しては、体内で抗体を作るための免疫応答が弱いことが知られています。
このため、ニューモバックスを接種すると一度抗体(B細胞というリンパ球が作る)ができても免疫応答が弱いために十分な抗体の量が体内で保つことができないため、5年おきの再接種によって抗体を維持していくことが必要となります。

 肺炎球菌ワクチンは、「ニューモバックス」以外に「プレベナー13」というのがあります。
このワクチンはニューモバックスと違い1回だけの接種となります。
プレベナー13は「13価結合型ワクチン」といい、多糖類にアジュバントと呼ばれるタンパク質を結合させた、やや複雑な分子構造をしたワクチンです。
このアジュバントを結合させているおかげで、T細胞というリンパ球の活性化がおこり、B細胞から持続的に抗体が産生されることとなり、しっかりとした免疫応答ができるため、長期間にわたり肺炎の予防効果が期待できます。

 現在肺炎球菌ワクチンの定期接種はニューモバックスのみで、プレベナー13は任意接種となりますが、この2つのワクチンを併用することで、強い肺炎予防の効果を期待できます。
とくに、糖尿病や悪性腫瘍のある方は免疫力が低下していることが多いので併用をおすすめします。

 接種の順番は、
(1)プレベナー13の接種後の約1年後にニューモバックスの接種
が一番効果が高いと考えられています。
(2)ニューモバックス接種後にプレベナー13の接種
でも十分効果が期待できますが、(1)に比較するとやや効果が低いと考えられます。
 当院ではプレベナー13を自費接種で¥11,900で接種可能ですので、お気軽にご相談下さい。