過敏性腸症候群
●過敏性腸症候群とは?
過敏性腸症候群とは、大腸内視鏡などで大腸に見た目でわかるような異常が認められないにもかかわらず、下痢や便秘・下腹部の痛みなどの症状が起こる病気です。
命にかかわるような病気ではありませんが、これらの症状により生活の質が著しく損なわれることがある病気です。
症状により「下痢型」、「便秘型」、下痢と便秘の症状を繰り返す「混合型」などに分けられます。
●過敏性腸症候群の原因は?
過敏性腸症候群の原因は、はっきりわかってはいませんが、単一の原因ではなく、さまざまな要因が重ねって症状を生じていると考えられています。
腸と脳は密接に繋がり合っていて、疲れや強いストレスがあると症状が悪化させることがわかっています。最近の研究では腸内細菌のバランスの乱れも原因の一つであることが判明してきました。
●過敏性腸症候群の治療は?
治療の基本は生活習慣の改善です。不規則で夜型の生活スタイルや睡眠不足は腸の働きに影響し、症状を増悪させるからです。
下痢型の過敏性腸症候群では、乳製品や人工甘味料の過剰な接種がないか確認します。
その上で内服治療を行いますが、ポリカルボフィルカルシウムがよく用いられます。これは高吸水性高分子ポリマーから成る薬剤で、下痢の時には水分を吸収し、便秘の時には排便を促すように作用します。
他には自律神経に働きかける薬剤や、少量の抗不安薬を用いられることもあります。