胃がんリスク検診(ABC検診)は、血液検査でピロリ菌に対する抗体と、胃の炎症や萎縮の度合いを反映するペプシノーゲンを測定することで、その組み合わせから胃がん発生のリスクを分類し評価する検診です。
「
ピロリ菌がいるか気になるけれど、胃カメラをいきなりするのには抵抗がある」という方におすすめです。
(胃がんのリスクを評価できる検査ですが、
胃がんを診断する検査ではありません。)
●ヘリコバクターピロリ(ピロリ菌)抗体検査胃がピロリ菌に感染していないか調べる検査です。ピロリ菌は胃粘膜にダメージを与え、胃・十二指腸潰瘍や胃がんなどのさまざまな病気の原因となります。
(平成29年9月以降、検査基準値(カットオフ値)をこれまでの10以上から3以上に変更しました。)
●ペプシノゲン検査胃粘膜の老化(萎縮)の状態を調べる検査です。胃粘膜から分泌されるペプシノーゲンは、一部が血中に出てきます。萎縮が進んだ胃は、胃がんになりやすいといわれています。血中のペプシノーゲンを測定することで、胃がんのリスクを評価できます。
A群<B群<C 群<D群の順に胃がん発生のリスクが高くなります。
A群(ピロリ菌陰性・ペプシノーゲン陰性):
胃がんの発生リスクは比較的低い状態です。ただし、腹痛など
自覚症状がある場合は医師と相談の上胃カメラの実施を検討してください。
B群(ピロリ菌陽性・ペプシノーゲン陰性):
C群(ピロリ菌陽性・ペプシノーゲン陽性):
D群(ピロリ菌陰性・ペプシノーゲン陽性):
胃がんのリスクが極めて高い状態です。高度の慢性胃炎があると考えられます。ピロリ菌感染の結果萎縮がすすみ、結果としてピロリ菌が生きていけなくなり排除された状態です。
すぐに胃カメラで精密検査が必要です。
ピロリ菌の存在の有無を尿素呼気試験・便中抗原検査などで再検査を行い、陽性である場合は除菌療法が必要です。
胃がんリスク検診(ABC検診)費用
¥4,600(税込み) 保険適応外検査のため全額自費負担となります。
絶食は必要ありません。ご希望の方は受付にお申し出ください。
【注意事項】
以下の場合には正しい結果が得られない可能性がありますので、この検査は不適です。
- 明らかな上部消化器症状のある方
- 食道、胃、十二指腸疾患で治療中の方
- 胃酸分泌抑制薬(プロトンポンプ阻害薬)服用中もしくは2カ月以内に服用していた方
- 胃切除をされた方
- 腎不全の方(目安として、クレアチニン3mg/dL以上)
- ピロリ菌の除菌治療を受けた方(除菌群=Eタイプといわれています)