神戸市垂水区|かわクリニック|内科・消化器内科

かわクリニック

~時間栄養学を生活に活かそう~ (3)脂肪燃焼に効果的な運動の時間帯はいつ?

時間運動学とは?

c689c34e02b4ea210976d5cf074b1b18_s
これまで時間栄養学の内容を記してきましたが、最近では時間運動学という考え方もあります。運動を行うことも体内時計に影響を及ぼします。運動を一日の中でいつ運動を行うのが効果的か、生理的にどのような影響を及ぼすのかを考えるのが時間運動学です。

運動を行うのは食前がいいのか、食後がいいのか?

運動を行うタイミングで、食事の前後でどちらが効果的かを調べた研究成果は数多くあります。食事の前後でどちらが効果的に脂肪を燃焼させる運動として効果が高いかは、まだ一定の結論が出ていないようです。ヒトの研究では食前の運動が脂肪の酸化を促し、食後の血中の中性脂肪の値を低下させるという報告があります。一方、食後の運動は安静時のエネルギー代謝を上昇させ、体重増加が抑えられると考えられます。まだまだエビデンスが少ないですが、どちらかというと食前よりも食後の運動のほうが脂肪燃焼に効果的とする考え方が主流のようです。

脂肪燃焼に効果的な運動を運動を行うのに効果的な時間帯はいつ?

 一日の中で最も効果的に脂肪を燃焼させる時間帯はあるのでしょうか?あるとすれば朝でしょうか?夕でしょうか?
 
 マウスに輪回しをさせて運動をさせた実験では、運動をさせない群にくらべ運動をさせた群では、食事による糖の吸収が増加します。さらに運動をさせた群で朝運動をさせた群と夕に運動をさせた群で比較すると、夕に運動をさせた群の方が体重増加が有意に低いという結果でした。このことから、ダイエットを目的に運動をおこなうとすれば、朝よりも夕方に運動を行うことが効果的と考えられます。例えば「電車通勤のビジネスマンが運動不足解消のため、脂肪燃焼を目的に運動をする」としたら、夕方に一駅手前で電車から降りて、残りの距離を速歩きで帰宅すると効果的でしょう。
参考文献 

Sasaki H, Ohtsu T, Ikeda Y, Tsubosaka M, Shibata S: Combination of meal and exercise timing with a high-fat diet influences energy expenditure and obesity in mice.Chronobiol Int. 2014 Nov;31(9):959-75. doi: 10.3109/07420528.2014.935785.

541d92a9c730a13dc39b036c76fa0e52_s
お問合せはTEL: 078-781-1838
かわクリニック