神戸市垂水区|かわクリニック|内科・消化器内科

かわクリニック

当院での内視鏡の感染予防対策をご紹介します。

(2020年11月10日 記事内容を追加しました。)

内視鏡後の洗浄・消毒の手順について

内視鏡検査で近年問題になっているのが内視鏡を介した細菌・ウイルス感染です。当院では細心の注意をはらい、内視鏡による感染ゼロにすべく徹底した洗浄・消毒を行っています。

内視鏡終了後の洗浄・消毒は以下の手順で行っています。
1.検査終了直後には洗浄液を管路内に吸引し、内視鏡表面についた汚れをアルコールで拭き取ります。
2.流しで用手的にスコープを中性洗剤で洗浄し、内視鏡チャンネル内を丁寧にブラシで汚れを落とします。
3.内視鏡自動洗浄機(カイゲン クリーントップKD-1)にセットし、強酸性水を用いて洗浄・消毒を行います。
なお処置具はディスポーサブル製品は使用後速やかに廃棄処分します。リユース製品は超音波洗浄機でムラなく洗浄後、高圧蒸気で滅菌消毒を行います。

内視鏡自動洗浄機(カイゲンKD-1)の紹介

当院で採用している内視鏡自動洗浄機 カイゲン KD-1は以下の特徴を持っています。
1.アルカリ洗浄による有機物除去
アルカリ性の洗浄液を全浸漬させることで、用手的に除去できなかった有機物を除去します。有機物が残っているとこのあとの強酸性電解水の滅菌効果が減弱するので大事な工程です。
2.強酸性電解水による消毒・滅菌
専用の食塩水を電気分解することで、陽極側はpH2.7以下の強酸性となり次亜塩素酸が産生されます。これを内視鏡にシャワーのように吹きかけることで細菌を滅菌・消毒を行います。MRSA、大腸菌、抗酸菌、真菌、ウイルスなど広範な微生物に有効です。一般細菌だけでなく、結核菌といった抗酸菌に対しても、強酸性電解水は完全な殺菌効果が認められています。またKD-1には強酸性電解水のスペックモニタリング機能が備わっており、消毒中に強酸性電解水のスペックが、消毒レベルを満たしているかを自動で検知することができます。内視鏡の消毒が終われば廃液は不活化され、環境を汚染することなく排出されます。


内視鏡自動洗浄機

強酸性電解水の新型コロナウイルスに対する不活化効果が立証されました。

COVID-19の流行の中で、内視鏡検査では新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に対しても感染予防対策が求められています。強酸性電解水を用いた滅菌は一般細菌や結核菌を始めとした抗酸菌、ウイルスに対して効果が認められていますが、新型コロナウイルスに対してはこれまで検証されていませんでした。
この度、大阪医科大学とカイゲンの共同研究で、強酸性電解水の新型コロナウイルスに対する不活化効果が認めれたとのプレスリリースが2020年11月に発表されました。


これによると、カイゲンKD-1などの内視鏡洗浄・消毒目的で用いられる10ppmの強酸性電解水を、SARS-CoV-2に接触させる実験系で、SARS-CoV-2を1分間で99.99%以上不活性化することができることが立証されました。
なお、強酸性電解水が十分な除菌効果を発揮するにはあらかじめ用手的にタンパク質の汚れを十分に落としておく必要があることにこれまでと変わりはありません。


お問合せはTEL: 078-781-1838
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