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コーヒーの飲みすぎは胸焼けを悪化させる!! 〜海外論文の紹介〜

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ここ数年で、寝ている間の胸焼けや胸のつかえた感じといった症状で受診される方が増えています。こういう症状の方は胃食道逆流症(逆流性食道炎)があるかもしれません。文字通り胃酸が胃から食道に逆流することで生じるのですが、内視鏡検査を行った上で胃食道逆流症があれば、制酸剤が処方されます。胃食道逆流症を悪化させる因子の一つに食事との関連があります。なかでも胃酸を増やすカフェインが多く含まれたコーヒや紅茶の過飲や、炭酸飲料による胃の拡張が増悪させる一因と考えられていますが、それらをはっきりと証明した論文はあまりありません。
 今回、飲み物の種類別に胃食道逆流症を生じるリスクをしらべた海外論文が公開されましたので、内容をご紹介します。

各飲み物と胃食道逆流症の症状の関係

 対象は症例登録時に(1)胃食道逆流症の症状がない(2)がんがない(3)胃酸を抑える薬剤が使用されていない48,308人の女性の看護師(42歳から62歳)です。観察期間中に7961人が胃食道逆流症の症状を認めています。

 まず普段飲んでいる飲み物と胃食道逆流症の症状との関連を調べています。それぞれの飲み物を(A)1日6杯以上飲むグループと(B)全く飲まないグループで分けると、症状の発症のリスクは(B)と比較して(A)のそれは以下のようでした。
コーヒー:(A)で(B)より34%増加
紅茶:(A)で(B)より26%増加
炭酸飲料:(A)で(B)より29%増加

 また、水や牛乳、柑橘類のジュースは症状の発症リスクは認められませんでした

 さらに、コーヒーや紅茶・炭酸飲料の2杯分を水2杯に置き換えると、それぞれ症状の発生が少なくなりました
文献
Clin Gastroenterol Hepatol. 2019 Nov 28. pii: S1542-3565(19)31380-1. doi: 10.1016/j.cgh.2019.11.040. [Epub ahead of print]
Association Between Beverage Intake and Incidence of Gastroesophageal Reflux Symptoms: Beverages and GER symptoms.
Mehta RS, Song M, Staller K, Chan AT.

まとめ

まとめると、コーヒーや紅茶・炭酸飲料の飲みすぎは胃食道逆流症を悪化させるという結果です。ただ胃食道逆流症を悪化させる要因は飲み物の過飲以外にもタバコやアルコールも関係しています。ふだんから症状がある人はタバコやアルコールを控えることも重要でしょう。そのうえで、コーヒーは1日2〜3杯程度にとどめておくと胃食道逆流症を起こしにくいといえるでしょう。
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